「デイサービスに行きたがらない方」「一度通い始めたものの、途中から行きたがらなくなる方」は少なくありません。そこでここでは、年輩者がデイサービスに行きたがらない主な理由や、デイサービスに行かせるための対処方法などを紹介していきます。特に現在お悩みの方は、ぜひ最後までお読みください。
Contents
デイサービスに行きたがらない主な理由
まずはデイサービスに行きたがらない理由として多いものを挙げていきます。
新しいものに対する不安
デイサービスに限らず、新しいものに対しては誰しも不安を覚えるものです。
特に年齢を重ねてから家にいる時間が長くなっている人は、外出自体にかなりのプレッシャーを感じる可能性もあります。
デイサービスなどの介護サービスへのマイナスイメージ
・まだ介護されるような状態ではない
・私が邪魔だからデイサービスに押しつけるのだ
などデイサービスなどの介護サービスに対して、漠然としたマイナスイメージを抱いている人もいます。
とにかく面倒
すでにデイサービスに通い始めている人に多いのですが、デイサービスでの活動全体に対して「とにかく面倒」と感じてしまう方も少なくありません。
実際、レクリエーション、健康状態チェック、お風呂、食事、他の利用者とのコミュニケーションなどをしますから、「家で過ごすのが好き」「一人でいるほうが楽」という人にとっては、必ずしも好ましい環境とは言えないかもしれません。
施設内における人間関係
・他の利用者の中に相性の悪い人がいる
・気に入らないスタッフがいる
など人間関係を理由にデイサービスに行きたがらない人もいます。
また、「他人に世話をしてもらうこと」に対して罪悪感を抱いてしまい、「これ以上迷惑はかけられない」と考えてデイサービスを利用することを拒否する人もいます。
デイサービスに行きたがらないときの対処におけるポイント
それでは「ご家族などがデイサービスに行きたがらないとき」の対処方法と、注意点を紹介します。対応を誤ると、さらにモチベーションが下がる可能性もあるので気をつけてください。
1:行きたがらない理由を理解する
まずは「行きたがらない理由」を理解しましょう。
それを把握しないまま「とにかくデイサービスに行って!」などと頼んでも逆効果です。
最終的にはデイサービスを利用してもらうとしても、まずは理解・共感しましょう。
そして、例えば「デイサービスに私を押しつけるんだ」などと誤解しているのであれば、きちんと説明してそれを正してください。
2:デイサービスを「楽しそう」と思わせる|行かせるための「説得」はしない
色々な理由があって、「デイサービスに行ってもらいたい」のだと思います。
ただ率直に言って、本人にとっては、「行ってもらいたいと言われてもね……」という感覚にしかならない場合もあります。なんとかデイサービスに通わせ始めることができても、そのうち理由をつけて行かなくなることでしょう。
デイサービスを利用してもらうためには、「行ってもらいたい理由」ではなく、まず「デイサービスの楽しさ」を説明することをおすすめします。
イメージしにくそうなのであればデイサービスのパンフレットを使ったり、ウェブサイトを印刷したものを活用したりしましょう。
3:まずは見学してもらう
ある程度デイサービスへの意欲が高まっているようであれば、まずはデイサービスを見学してもらうことをおすすめします。ケアマネージャーに相談すれば、お住まいのエリアのデイサービスの情報を教えてくれることでしょう。
中には、
・手芸
・フラワーアレンジメント
・ネイルアート
・メイク
・マッサージ
・ゴルフ
・料理
・スポーツ
・カジノ(お金は賭けません)
・野菜作り
などを楽しめるユニークなデイサービスもありますから、趣味趣向に合いそうなサービスを探すのもいいでしょう。
4:機嫌の良さそうなときにデイサービスについて話す
年輩になると気分屋になる方も多いですから、意外と重要なことです。
機嫌の良さそうなときにデイサービスについて話すと、理解を得られやすくなるかもしれません。
5:訪問系介護サービスから始める
「外出」に抵抗がある場合は、訪問介護サービスから始めてみるのも良いでしょう。
そして、信頼関係が構築できたスタッフさんから、デイサービスについて話してもらえば、本人の気が向くようになるかもしれません。
もちろん「訪問介護でも事足りる」とご家族などが判断したのであれば、無理にデイサービスに切り替える必要はありません。
6:「同じデイサービス利用者を助けてほしい」と言う
誰しも「誰かの役に立ちたい」「人を助けたい」と感じているものであり、それはどれだけ年齢を重ねても基本的に変わりません。
ですから、「デイサービスで助けてもらってよ」というアプローチではなく、
「デイサービスで困っている人をサポートしてほしい」
「デイサービスに来ている人と友達になってあげてほしい」
など、「本人の社会的な役割」に重点を置いてすすめてみると上手くいく可能性があります。
7:家族の想いを伝える
例えば「弱っていくお母さんが心配だから、デイサービスに行ってほしい。私たち家族のためにも」などと、家族の気持ちを素直に伝えるのもいいでしょう。
ポイントは「家族のために」という部分です。特に「家族想い」の傾向が強い方であれば、これで納得するかもしれません。
ただ、少しデリケートな話になりますが、「素直に伝えるとなると、『デイサービスに行って楽をさせてよ』になってしまう」という方もいるでしょう。
それはそれで「本音と建前」を使い分ければ問題ありません。
「介護」ということで繊細な気持ちになってしまうかもしれませんが、つまりは「家族同士のあれこれ」でしかありません。あまり深刻に考えすぎないようにしましょう。
「本音だけでコミュニケーションを取っている家族」は恐らく存在しません。
通い始めているデイサービスに行きたがらないときの対応方法|応用編
ここまでは「まだデイサービスに通っていない段階」のことをメインに解説しました。
そしてここからは「通い始めたデイサービスに行きたがらないとき」の対処方法について、応用寄り・テクニック寄りでお話ししていきます。
1:デイサービス側に任せても構いません
デイサービスのスタッフは「行きたがらない人を、自然と連れていくプロ」でもあります。
ですからどうしても行きたがらないのであれば、あとはスタッフの対応に任せてみることをおすすめします。
施設にもよりますが、「少し時間を置いて再度迎えに来る」などの対処をしてくれる場合があります。
ただ、さすがに「丸投げ」となるとスタッフとしても困るので、例えば「まだ薬を飲めていない」「朝ご飯の途中です」などと状況を伝えましょう。すると、なんとかしてくれます。
デイサービスのスタッフは、「送り出すまでの準備の大変さ」も知っていますから、
「できる限り支度してさえくれれば、あとはこちらで対応する」というスタンスのところが多いです。
2:突発的な「行きたがらない理由」がありそうなのであれば伝える
例えば、「昨日トイレのことで失敗した(だからデイサービスでも失敗するかもしれないと本人が心配しているかもしれない)」のであれば、そのことをデイサービスのスタッフに伝えてみましょう。すると、「紙オムツを履いてもらってはいかがでしょうか?」などと提案してくれます。
「自宅での出来事を、できる限りデイサービスのスタッフと共有しておく」という発想を持ちましょう。
3:デイサービスのことを感じさせずに「朝の活動」をさせればなんとかなる場合も
デイサービスに行くにせよ行かないにせよ、
・朝の着替え
・朝ご飯
・トイレ
などの朝の活動は必要です。
そして、デイサービスのことを感じさせずにこれらの行動を済ませてしまいましょう。
するとデイサービスのスタッフが迎えに来たときに、「じゃあ行くか」という気持ちになる人が少なくありません。
4:本人に「今日は行きません」と拒否させる
また、デイサービスに行かない場合に本人に「今日は行きません」などと拒否させる方法もあります。
このルールを作ると、直前まで行かない(自分で拒否する)つもりでも迎えの車が来ると「やっぱり行くか」と気が変わる人が少なくありません。
デイサービスに行きたがらない場合でもご家族は気楽に構えましょう
まず、デイサービスに通い始めたからといって、必ず毎回行かなければならないわけではありません。行かないとお金がもったいないかもしれませんが、たまに休んだとしても気にするべきではありません。
また、相手はご家族ですから、「上手いことを言って、デイサービスに行かせる」という発想があっても構いません。先ほどもお伝えしましたが「本音と建前」は大事ですし、「こうする!」という対処方法を決めすぎず、ケースバイケースにしても良いのです。
中には「明日はどうやってデイサービスに行かせようかな」と楽しんでいる人さえいると言われていますよ。
まとめ
ご家族がデイサービスに行きたがらないときの対処方法などについて解説しました。基本的には「行きたがらない理由を理解する→デイサービスの楽しさを説明する」などが対処方法のセオリーとなります。ただ、あまり深刻に考えすぎず、まずはデイサービスのスタッフなどに相談してみてはいかがでしょうか。