本記事ではデイサービスの業務に慣れるまでの心得や、「慣れるまでに立ちはだかりやすい壁、その突破方法」などについて解説していきます。前もって、「デイサービスの仕事にはこのようなハードルがある」などと理解しておけば、モチベーションを高くキープしつつ、利用者のために励むことができるはずです。
Contents
デイサービススタッフの仕事に慣れるまでの心得|鹿児島
まずはデイサービス職員の仕事に慣れるまでの心得を紹介します。もちろんベテランになってからも忘れてはならないことばかりです。
1:職員とのコミュニケーションを大事にする
一人だけで介護するのであれば、「利用者とのコミュニケーション」だけを大切にしていればいいですが、デイサービスのスタッフとして働く以上は、他の職員ともきちんと関わることが大事です。そうでないと、「この利用者はどのようにサポートするのか」などの意思疎通もできなくなってしまいます。
もちろん仕事の話をすることも重要ですが、雰囲気やタイミングによっては趣味やプライベートの話題を出すのもいいでしょう。
2:元気な挨拶と笑顔を心がける
元気な挨拶と笑顔には、「あなたの仲間です」とアピールする効果もあります。逆に挨拶をしなかったり笑顔がなかったりすると、相手に「もしかして私のことを信用していないのだろうか」などと思わせてしまう恐れがあります。
デイサービスの仕事は基本的に忙しく、ともすれば笑顔を忘れてしまうかもしれません。ですが辛いときにこそ笑っていたほうが、自分自身も元気になることができますからおすすめです。
それに普段から笑顔でいることを心がけていないと、つい利用者の前でも厳しい表情をしてしまう恐れがあります。
3:必ずメモを取る
特にデイサービス業務に慣れるまでは覚えることが多いです。たとえ別の施設でデイサービスの仕事を経験したことがあっても色々とやり方が違うでしょうから、きちんとメモを取って、後から復習することを心がけてください。
介護職の経験が長い人ほど「メモなんて取らなくても覚えられる」と考えがちですが、一度に複数のことを教わるでしょうから、一気に習得するのはなかなか困難です。
ただし他のスタッフに実演してもらっているときなどは、メモを取らずにきちんと観察しましょう。それを終えてから要点をメモにまとめるのが最適です。
4:自分から質問する
デイサービスをはじめとする介護職においては、「自分から質問する」ということができないと自分が困るだけでなく、利用者にも迷惑をかけることになりかねません。
例えば、「レクリエーションで○○なことがあったらどうしよう。まあ、その場でなんとか対応すればいいか」などと考えていると、トラブルが起きる可能性が高くなります。すぐにトラブルが発生することはなくとも、数か月後、数年後に起こるかもしれません。
また、先輩スタッフからしても自分から質問してくれるほうがありがたいです。そうでないと、「この新人は質問せずに勝手に判断するから怖い」「分かっていなさそうなことを教えてあげないと……」などと気を遣わせることになります。
もちろん「同じ質問は二度としない」ということを徹底できればいいのですが、それも現実的には難しいです。「前に説明しましたよ?」と怒られるかもしれませんが、分からないことがあれば必ず質問しましょう。
5:なるべく複数のスタッフから教わる
最初から全てのスタッフと打ち解けるのは難しいですから、「信頼できる特定の相談相手」ができるのは自然な流れです。実際、仕事内容とは直接関係のない、例えば「デイサービスに対する心構え」などに関しては、とりあえずその人だけに相談してもいいでしょう。
ですが、「利用者が直接的に関わる業務」に関しては、できる限り複数のスタッフから教わることをおすすめします。なぜなら人それぞれ微妙にやり方が異なり、「こういう方法もあるのか」などと学ぶことができるからです。
そして「やり方の選択肢」を多く持つことができると、「この利用者にはこのやり方」「この利用者にはこの方法」など、個々人に対してより良い業務ができるようになることでしょう。
また、特定のスタッフとばかりコミュニケーションを取っていると、他の職員に「他の人と仲良くなるつもりはないのだろうか」などと思われてしまう可能性があるので気を付けましょう。
デイサービスの業務に慣れるまでにぶつかりやすい壁と突破方法|鹿児島
続いてはデイサービスの仕事に慣れる前の初心者だからこそ感じやすい「壁」や、その突破方法などについて解説していきます。前もって「ここでつまづきやすい」と知っておけば、冷静に対処しやすくなることでしょう。
1:ヒヤリハット体験をしたとき|「事実」を振り返り反省する
大きなトラブル以前の、「もう少しで危険な事態になっていた」などの状況のことを「ヒヤリハット」などと言います。
割合としては、「大きな事故が1回起きる場合、ヒヤリハットは300回起きている」とされていますから、特に初心者のうちは難易度もヒヤリハットを経験することになるでしょう。
そして「こんなにヒヤリハットを起こすなんて、自分にはデイサービスの仕事は向いていない」などと考えてしまうかもしれませんが、まずは「発生した事実」だけを見てください。
例えば、「もう少しで服薬サポートのミスをするところだった」のであれば、それだけに目を向けます。「私以外ならミスはしないだろう」などと余計なことを思う意味はありません。
事実を見て、
・服薬サポートのミスが起こりそうだった原因
・どう改善すれば服薬サポートのミスが発生しなくなるのか
を考え実行します。
そして改善案などを発見できたら、デイサービスのスタッフ全員で共有しましょう。そうすれば、施設全体としてのヒヤリハットと実際のトラブルを減らすことができます。
2:理想と現実の違いを実感したとき|「小さな目標」や「喜び」に目を向けましょう
最初の段階で「このようなデイサービスをしたい」という夢を掲げていた情熱的な人ほど、それとのギャップに打ちひしがれてしまう可能性が高いです。
努力しても認めてもらえないかもしれませんし、人手不足の影響で利用者一人一人にそれほど時間をかけることができない場合もあります。そしてだんだん「現実はこうなのか……」と理解してしまうと、モチベーションが大きく下がることになるかもしれません。
そういった場合は視点を変えて、デイサービスの仕事をする上での「喜び」に目を向けてみることをおすすめします。
利用者やその家族にお礼を言ってもらえた、先週まで緊張気味だった利用者が笑ってくれるようになった……などです。
また、「今日は昨日よりもスムーズにお風呂の介助をする」などと小さな目標を日々立てて、それをクリアすることでモチベーションを維持していくことも大事です。
ちなみに、「今の時点で理想があるから、この先どうなるか心配」という方は、その理想について具体的に書き出してまとめてみることをおすすめします。
「理想が、漠然としたものでしかない」からこそ、何をしてもそれが満たされていると感じることができなくなってしまう可能性もあるからです。
3:身体の不調が発生したとき|先輩職員に相談しましょう
デイサービスの仕事に慣れるまでは力の入れ方などが分からず、肩や腰などを傷めてしまう可能性があります。するとネガティブになってしまい、「この先やっていけるのだろうか」などと考えてしまう方が少なくありません。
また、「介護の仕事が精神的に大変なのは知っていたけれど、肉体的にも辛いとは思っていなかった」と感じる人も珍しくないとされています。
いずれにせよ力のかけ方などのコツが見えてこない場合は、先輩職員に相談してみることをおすすめします。すぐにアドバイスをもらえることでしょう。こちらは「精神的な問題」ではないからこそ解決しやすいはずです。
そして実際に身体を傷めてから質問しても手遅れになるかもしれないので、早めに聞いておくことを推奨します。
「慣れるまではサポートしないと」と認識されているうちに積極的に質問しましょう
また、他のスタッフとしても新人に対しては「この人が慣れるまではしっかりサポートしないと」と考えるものですから、多少的外れな質問をしたところで何とも言われません。
ですから「この人はまだ新人である」と認識されているうちに、どんどん質問をしてノウハウを吸収しておくことをおすすめします。
入職してから少し期間が経ったにもかかわらず、「新人がするような質問」をしてしまうと、「なんで早めに質問しなかったのだろう」「まだ理解していないのか……」などと思われて、煙たがられるかもしれないので気を付けてください。
(それでも疑問点をそのままにしておくわけにはいかないので必ず質問しましょう)
まとめ
ここまでデイサービススタッフの仕事に慣れるまでのポイントや、つまずきやすい壁を紹介しました。総じて言えるのは、「何事にも積極性を持ち、とにかく相談すること」が大事ということですね。消極的な人はいつまでも成長できません。また、「辛いときだからこそ笑顔&元気でいる」ということも常に心がけましょう。